まぼろしの風
上着の襟をたてて激しく お前は穏やかさに耳をふさいで、 もう、壊れていると諦めてきた。 ひとりの夜に、ひとりに包まれ 小さなスタンドひとつの暗い部屋。 白と黒のモノトーンの視界で 人と自分が、どれだけ […]
風景を考える
数日前、私の事務所に、 老舗の改装に伴って塗り壁の依頼をしたいという夫婦が 北陸方面から訪ねてきた。 私は、仕事の依頼を受ける時、必ずこう言う。 どうか是非一度、 私の事務所 […]
冬の音色
真冬の不思議な星の夜は 空気が雪になるのでしょうか? 窓の灯りが寝しづまり、 深いひさしも黒ぐろ沈むと 物音は、この足もとに吸いこまれ 吐きだす息も、 うすく広がり消えてしまいます。
放射冷却の朝
シンシンの、 氷の空は澄みきって とがった杉の群列は、 凍った霜にふちどられ、寡黙 青くばらけた星々は、 十字の針を突きだして 折れて、こぼれて、またまたたく シンシン、シンシン […]
結社10年
2011.4.1。この日は、 我々職人社秀平組の独立記念日。 実に設立から丸10年を生きた節目となる。 結社したのは、2001.4.1。 あの頃の俺と職人衆は、まさに満身創痍であった。 早朝7:00、 ボ […]
冬のはじまり
音もなく降る雨を見ている 夜の暗がりを、 あざやかにより黒く 11月の終わりの雨・・・ 静かな細い雨は、 わずかな息吹を見逃さず 痛みも与えず終わらせて 眠らせてしまう
シャクン
職人社秀平組、社訓。 一致結束 一喜一憂 一攫千金 一網打尽 言語道断 横断歩道 断崖絶壁 頑張リマセウ 一歩進ンデ、二歩下ガル。
縄文人
人生もそれなりに生きて来ると、 その財産のひとつは、 どれだけ多くの人に逢ったかではなく、 自分を刺激してくれる人に、 どれだけ逢えたかが大切なのだろうと思う […]
塗り壁の力
数年前まで、いわゆる刑務所の出入りを繰り返し、 その長い人生の大半以上を過ごしてしまった人物が、 およそ4年間に渡り、この自分につかえていたことがある。 関東出身、生まれながらの天涯孤独。 その昔 […]
生みだしている人に
今、踏みしめたのは 赤く染まる前に散った、淡色の葉 美しくあれ 哀しくあれ ・・・・・・