流れていた空
真夏、七月の草いきれ 玉のような汗をかいている しめきった部屋で、通じ合わぬ言葉を 埋め合っていた日々。
鏡のあいだ
通りすぎる電車、 鳴り渡るクラクション、 地下から吹き上げている、排気と体温の風 都会の雑踏にひとり、 無表情に流れる雑音に埋もれてていると この混沌とした流れから、 ふと切り離されて、廻りが、ガラスのビルが […]
確約のない仕事
我々、職人社秀平組職人衆は、 20数年の、分かりあってきた仲間である。 お互いを知り尽くし、 それぞれが、役割りをわきまえて結社した 気心の知れたチームワークで、 […]
日の丸弁当の唄(写真編)
縦24センチ × 横18センチ 深さ38ミリの金属製のふたを開けると
文春パラドクス 生命の色
昨日、いつもの酒亭のカウンターにつくと、 尊敬する常連仲間から、一枚のコピーを手渡された。 週刊文春の福岡伸一という人物の連載で、 秀平さんが、 いつも≪ 動物的勘 ≫で言っていることが、わかりやすくか […]
夢の中に
去年の5月。 東京財団が企画する日本再発見塾という集いで、福島県飯館村役場を訪ねた。 その日は、村が全村避難するという前日で 直接、村長の口から、今置かれている実情を聞く機会となった。 移動中のバスの中から見る山 […]
悲しい仕事 “古い町並み、飛騨高山”( 2011年12月28日 記 )
そもそも十年前。 自分達が職人社秀平組を結社したのは、 同じ会社内で憎しみあったり、 いがみあったりすることに 我慢できなかったから。 仕事とは、 お互いが認めあったり、 […]
森の圧縮
洋館の移築を夢見て、 11年目の春が過ぎようとしている。 廃墟同前だった ボロボロの大正の洋館を手に入れたときから、 自分の頭の中に一瞬のうちに浮かびあがった映像を追いかけてきた。 ・・・深い森へ続く道をゆ […]
ソリストの思考術 第五巻 挾土秀平の生きる力
2008年自伝的な形で出版した≪のたうつ者≫。 この本をどれほどの人たちが読んでくれたかはさっぱりわからないが、 手にとってくれた読者からは、 とてもたくさんの反響やメッセージをもらったり、 今も若者からは、「この本、何 […]
真空の時
雲ひとつない青高く こぼれて落ちる、カラカラン まぶしい光なつかしく 手かざしの眼で仰ぐと 冬の身体はひび割れて ふりそそぐ音、カラカラン