雲ひとつない青高く
こぼれて落ちる、カラカラン
まぶしい光なつかしく
手かざしの眼で仰ぐと
冬の身体はひび割れて
ふりそそぐ音、カラカラン
空に枯葉がこすれあう
一面の落ち葉、カラカラン
私はわたしをにじませて
だれも知らぬ顔と
だれにも聴こえぬ声となり
このひび割れた裂け目から
身体の蒸気が奪われる
乾いた斜光が天上に
地表はからっぽ、カラカラン
あたりは真空切りとられ
正午の針も息を止め
空もからっぽ、カラカラン
雲ひとつない青に光はかすれ
私はわたしを忘れ去り
空は流れて、カラカラン