この雨は、やがて雪に変わる

冬雲の風と雨が
樹々の枯葉をいっせいに散らしている

襲うものと追われるものが流れて
命の気配が薄れてゆく
                 


いま、冬枯れのなかに立ち
この晩秋の終わりを見とどけたあと
眼を閉じる。

冬雲に身をなげだして
耳のつけ根から
氷の針を結びつけ
結晶模様の背中をまとう

そうして、
冬の自分を生みだして

春を待つ。