この度の大河ドラマ。

水をたっぷり含んだ泥壁に
真田丸の身の丈以上の
大きな文字を描くチャレンジだったが

実は今回、最も力を注いだのは
配役からの4枚の壁など
このオープニングの一部となっている
7種類の背景だった。


それは、
ほぼ、お任せと言う形で託されたものだった。

個人の思いとして
自分は伝統と言う言葉があまり好きではない。

自然も人も、技法も、《必要》も
すべては時代と共に移り行く。

伝統と評されることは
一度最高に到達したものを、守っている

伝統と呼ばれるものは、
ほとんどが皆、せつなく悲しく守っている
守っているとは、
守らねければ消えてしまう定めに生きている。

伝統とは、
時代に生き生きと輝くことがない言葉。
この言葉は、
徐々に自分の中でせつなく膨らんでいた。

大河ドラマ真田丸は

左官もまた伝統と呼ばれるなかにあって

木や土や水や漆を使う者を、手の者を、
こうした枠組みの《我々》を、輝かせてくれたのである。

映像の世界が
この先も進歩し移り変わるとしたなら
その時、本当の素材感や肌合いが
必要になる時代が来るかもしれない・・・・・

この【手の者】に

2016年、大河ドラマ真田丸は、
我々に夢を与えてくれたと、思っている。