8月の終わり。
秀平さん、ちょっと急な話しなんだけど、
なんとか助けて欲しい件があって・・・
仕事の依頼であった。
現場は埼玉県入間市にある、名門、
武蔵CCのクラブハウスで、
いったん完成したのだが
全体的にオーソドックスすぎて華がないので
クラブハウスを象徴する壁面を考えてほしいというものだった。
いつも良くしてくれている人物からの電話に
こちらも仕事に余裕があったので(つまり暇だった)
『じゃあ、任せてくれる?』と、二つ返事で引き受けた。
9月初めから入った現場は
あまりに時間が限られていて、
何ができるか、さすがにヒヤヒヤドキドキしたが、
なんとか終えて、9月8日・22:00、高山駅に到着。
駅からそのまま歩いて、いつもの酒亭にたどり着いた。
はあ?っと息を吐いて、カウンターに座ると
いつもの仲間が、
『お?来たか、また、面白い場所に登場したなあ』と笑っている。
『ふむ?なんのこと?』とわからない
高山市民が最も目を通す地域情報誌
《高山市民時報》の一角にある
《渡辺克則のドライチャンネル》
という一コマの風刺漫画に
取り上げられているというのだった。
ヘェ?っと見てみる、
うむ?っと、ドンドン見えてくる。
■コウモリ姿のメガネをかけた人物は、おそらく現・高山市長で、
空を飛んでいる全身のグレー部分は高山市の地図を表している。
■全国的な大雨で、高山の災害対策から
〔雨が多いし〕・〔ハザード〕マップ、〔周辺〕見直しを。とある。
気候の変化にともない自然災害の被害範囲を見直せという、
高山市への要望をシニカルに描いたものだろう。
■〔コウモリのつもり〕は、
高山市のどっちつかずの方向性を意味しているのか?
それとも、高山を守るために広げた、こうもり傘の意味?
この風刺漫画は、
さらに深読みすれば、いろんな皮肉を含むように思えてくる。
■〔ハザード〕マップ、〔周辺〕見直しを。とは、
ハザード周辺=ハサードシュウヘンを見直せ、と言っているのか?
■また周辺を=景観と取れば、
2年前に俺の発案で開催したフォーラム「日本再発見塾」で、
高山の景観を問題視したことを暗に思い出させ、
周辺=景観(文化)を見直すべきだと言っているともとれる。
「日本再発見塾」では、痛烈な高山批判を指摘して話題になって以降
ハサドシュウヘイはブラックリストか、ハザードライトの点滅。
■ハザード周辺=ハサードシュウヘイは、=危険人物。
〔呼んだ?〕とあるけれど
これは高山を取り囲む、黒枠、太いラインの中には呼びません、
こちらの枠組みには入れませんよ、と言っているようにも、取れる。
つまり、俺は、高山の外側にいる、よそ者的な存在?
■危険人物とコウモリ男の図式を、一目見て
わかる人には強烈多様にわかり、
わからない人にはサッパリわからない、一コマ。
酒亭の仲間は、
たった一コマの漫画の中に、
これだけの要素を盛り込んでいる、渡辺克則さんを
皆、絶賛している。
また、渡辺克則さんは、
週刊朝日の山藤章二の似顔絵大賞の常連で、大賞受賞者でもある。
それで、取り上げられた俺はというと・・・
あれだけの情熱と時間を注いだ、2年前なら
ショックというか、シャレにならなかったかもしれないな?
けれど今は、
苦笑いと、爽やかな笑いが、入り混じっている気分である。
さてさて
・・・それより・・・
こうした鋭い視線を、勇気も持って、ユーモアを持って、
一コマに表現している、渡辺氏のセンスと知性に
なーるほど、憎いなあ?と
そっちを感心してしまう。 まずはそれ。 (アンタはスゴイ)
さて、・・・・〔呼んだ?〕・・・とある俺?
だから、呼んでないよ?
お・呼・び・で・ないっ!?
こりゃまった失礼しました・・・・・と、笑って
渡辺克則さんと植木等風に、いい加減男を装って
面倒で、真面目な、むずかしい話しは、ぜーんぶ、ほかって
いや?参った、
酒亭で酒を酌み交わしてみたい。