氷った道を踏みながら
なんて、つめたい空
なんて、冷たい雲だと思う

指先が
震える熱さえ際立つ二月。


一面の雪に
黒いつららの鍵盤が響く、零下のなかで

六花の氷紋は幼い頃の鏡
針の結晶はあたらしい指針
氷の枯葉は、
溶け合うことなくひび割れて

響きは
凍てた飾りに変わり
二月が飾る、素直降る空。

いま、夕陽に
染まった冬の空には

ちがう顔
別の声が響き
あんなに鮮明だった
飾りも、薄れて

ただ、まばらに浮かんだ雲

ただ、なんて冷たい光

凍った靴ひも
ぬれた靴。