都市の合理化が、恵みである水から離れ
生活以外の水を嫌い、水を弾く布や食器と暮らすようになる
便利追求の果てに、人間は弾く水を作ってしまう
生み出されてしまった弾く水の処理法はなく
自然水で薄めても、同化して巨大化する
土や身体に溶けず存在し、あらゆる潤いを断ち切る
見分けのつかない水の脅威に震えるだろう
弾く水は油のように海に漂う


嘘を生みだしたあと、
嘘を知らない戦士を雇い
人を苦々しいと錯覚する眼を埋め込み
声が聴こえなくなる耳を与え
勝敗のつかぬ争いに資本を投下する
狙われた者は、耕してきた土地を手放し
嘘をもって抵抗してゆく戦士となる
裁きの判断は、無感情な書式の中で下され
子供達は口を閉ざして遊び、かすかな物音に振り向く

発電の野菜を食べ、窓のないパステルの部屋で眠り
ペイントの街が生まれ繁栄する
自由に生きる若者は国の歌を忘れ
ガラスの目で問いかける指導者に振り向かず
街は再生できぬ廃墟へと変わりゆく
数十年の後、生きる者は新しい言葉を使い
ひとつの家に暮らす人々の中に、
同じ顔をした人間が現れるだろう