ふと、砂に降る雨を思った。

舐めるように
砂に浸み込むしずくを想うことができる

渇ききった幾万の、
かすれて傷ついた一粒に
たゆまぬ雨が
傷を口に含むように濡らし、
眠らせてゆく。


乾いたものと濡れたもの
注ぐものと注がれるもの

しとしとと、
たゆまぬ雨が
あまねく雨が降っている。

傷のぶんだけしずくを受け止める砂
その砂の傷にとどまる雫

雨はあがって
絡みあい固くしまった砂肌の
新しさを踏む時

砂と雨の生ぬるい時間を想うことができる。

その永遠の安堵感。