まぶしい黄花

3月中旬、 ようやく雪が溶けて、春の気配を実感したのも束の間。 22日、23日と、再び強い寒波に降り出した雪。 積雪20センチを越えた飛騨は、 また氷点下の、白銀の世界に引き戻されてしまった。

むごい冬のあと

厳しい冬が嫌いじゃなかった。 青白い夜の サラサラと乾いた粉雪の広がりは 遠く見通す道を連想させて 氷点下の足跡が風に消え 来た道を、たとえ戻っても それはいつも新しい道に思えた。 寒さが 身体を小さくして、体温を濃密に […]

さくら

この今  穏やかな一瞬の今 変わりない日常の今 なんの変哲もない時のなかで さくらが咲いている

出版 ひりつく色

去年、本を出版するといいながら、 なかなか出来上がらず 自分自身も待ちつづけている。 いつ出るの、と 聞かれる時があるが、苦笑いしながら もうすぐ出るはずだけどと答えて、いつなのかは、まだ解らない。 タイトルは「ひりつく […]

黒■の間

職人社秀平組は 15年前、40年ほど経ったボロボロの鉄骨倉庫に ベニア板を打っただけの 隙間風をいまだ完全に止めきれない事務所である。

これからに向かって

今年に入って 以前に比べれば長く眠れる日がある。 睡眠を誘う薬を飲まないで       眠れる日も多くなってきた。 早い時間から床に付いたりしている

春を待って

もの心の たどれる一番遠い記憶の           おぼろな空気感 手を強く引かれて歩いた春の陽ざし。 その感覚が、今も記憶の底の底に、           溶けないものとして残っていた。