初雪は
いつも11月20日前後に
チラチラと舞う

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12月28日

その夜、降りだした雪は
闇の中から、わきいでて
暗がりを隙間なく
落ちては消えて

地平の一年の熱を奪っていく

あとから、あとから、揺れながら
あとから、あとから、とめどなく

降り落ちる 非情の雪。

吹き上がり、巻きつく風の雪が
小枝の熱をも奪いとる

冬到来の雪が降りだした。

ガラスのその向こうは
今夜が、今年の終わりだと告げる窓

それは

この一年を
      過去と明日に分ける
              到来の夜。

自分をとりまいた、
この一年の
流れ去ってゆくものと
自分に残されるものとが
         宣託される夜なのだ

12月29日

灰色を包んだ雪の景色を
        灰色の空が覆った早朝

仲間たちは
歓待の西洋室への坂道を作っている

暖をとった焚き火を前にして

ポケットの、

いくつものメモを、
    昨日までを燃やす
         

陽が昇り、晴れわたると
消えず残った宣託の朝は

目の前、命が鮮明に
むきだしに
浮き出したかのような朝。

風なく
雲なく
空青く

非情なほど、新しい朝。