西の地で光の神が目覚めたとき
開かれた怒りの瞳は、風を呼びよせる
神に従う風は東の地の血の一滴まで流し
ひとつの歴史は幕を下ろすだろう
あらゆる価値は数値で決められ
自然な眠りを取り引きする姿と
触覚なく育つ子供たちの姿に
実験の地として注目される国が生まれる

太陽の花が花瓶に半分折れて枯れていた
あくる日、半分は造花となって飾られる
政者は自国の技術力を言葉で誇り
メデイアは一方向からの画像を流す
固有の種は消え、皮膚に近い花をエネルギーで作る
慰めと慰めのなかで偽物を許しあう
太陽の花は法によって金網の中に咲き
自然は触れるものでなく、見るものになるだろう

信仰と経済が衰え
深く根付いた歴史が薄れたとき
ひび割れた声を持つものが集まり
紙の声で評する者が増えつづけると
泣き叫ぶ者と、ほくそ笑む者が現れる
やがて世の矛盾をなげく者がくちずさんだ歌に
その歌をめぐった対立がはじまり
国を二つに分けるだろう

ゆるまぬ日差しが熱を帯びた雨を落とし
地表から上昇した水蒸気は再び温められ
熱風が不規則に吹き荒れる
熱加工で組み立てられた都市はねじれてゆがみ
光をさえぎりつづける雲が
大気と地表に見えないカビを蔓延させる
人々は消毒の水を飲み、
消毒の息を吐き、使い捨ての服を焼却する