おまえはだれ・・・なにがしたい
黒雲を見あげてはならない
風が噛みちぎってすぎているのを
感じてはいけない。
動いている気配、黙々と群れた行進。
なにを求めている
壊れて立ちのぼる結晶
ほんとうに望んでいるのか?
白い樹林がゆれて炎にかわる。
それは近くか
まだ遠いのか?
どよめく運命・・・
黒ずんだ銀を皮膚にして
降りつづく雪と、熱い水蒸気の中へ
雲と水の大陸のあいだへ
静かに笑っている
覚悟して笑っているその顔
とおい水平の先にある縦の街へ
だれかこの俺の息を、
飲みこんでくれないか?
深すぎてどこにいるのか、
わからない
眼をとじて耳をすまし
冷えきったつま先と膝であるきだす
踏み折れてかたい霜だちの草をふみ
また陽が落ちて生まれた夜に
おまえは、新しい息を吐く。